2002年 2月号


南京大虐殺に謀略の新事実

 週刊ダイヤモンド誌2001年12月1日号に、桜井よしこ氏の執筆記事「南京事件に関する新事実 まさに歴史を見直すべき時」が掲載されていた。
この記事の冒頭に「歴史を振り返るとき、常に私たち日本人の心の傷としてとらえざるをえないのが南京事件である」と書かれているように、戦後教育を受けてきた私にとっても桜井氏と同じように「中国側のいう30万人の虐殺はありえないことだが、小規模ながら一般市民の虐殺はあったのではないかとの見方をぬぐい去ることができない」ことは確かだ。しかし、桜井氏によれば、北村稔立命館大学教授の著書『「南京事件」の探究(文春新書)』によって、その疑心に曇った目が大きく開かれたという。
この北村氏の本では、南京事件を最初に世界に知らしめたのは、事件の翌年に出版されたオーストラリア国籍の記者・ティンパーリーの書いた "What War Means: the Japanese Terror in China" であり、著者のティンパーリーは実は公平なジャーナリストなどではなく、蒋介石の国民党の対外宣伝工作に従事していたと記されている。
この驚くべき事実は国民党中央宣伝処の曾虚白処長の自伝によるもので、そこには次のように書かれている。
「ティンパーリーは都合のよいことに、我々が上海で抗日国際宣伝を展開していた時に上海の『抗戦委員会』に参加していた三人の重要人物のうちの一人であった。(中略)我々は秘密裡に長時間の協議を行い、国際宣伝処の初期の海外宣伝網計画を決定した。我々は目下の国際宣伝においては中国人は絶対に顔を出すべきではなく、国際友人を捜して我々の代弁者になってもらわねばならないと決定した。ティンパーリーは理想的人選であった。かくして我々は手始めに、金を使ってティンパーリー本人とティンパーリー経由でスマイスに依頼して、日本軍の大虐殺の目撃記録として2冊の本を書いてもらい、発行することを決定した」。
こうして極めてタイムリーに日本断罪の書が出版されたのである。公平な第三者の著作のはずが、実は国民党宣伝部の資金を受けた人物によって書かれたものだったというから恐ろしいことだ。この本が資料をもとに明かす数々の事実が、南京虐殺はやはり存在しなかったのではないかという結論を桜井氏に与えるに十分だったといえよう。その桜井氏は最後に語っている。
「何が歴史の真実に近いのかを一人ひとり考えてみてほしい。事実は目前に見えている。まさに歴史を見直すべき時なのだ」と。
私はこの執筆記事を読んで、南京大虐殺が事実であるか否かさえも十分検証もせずに一方的に甘受し、ODAを続け、自国の教科書も自由につくれず、謝罪外交に明け暮れる自虐的行為を新世紀になった今なお引きずっている国の一人として嘆息するばかりである。
大東亜戦争の真の総括を放棄してきた結果が自虐史観に捕らわれ享楽志向一辺倒のマスコミを産みだし、またディベートもせず歴史観も倫理観もなく自ら考えることもしないデジタル記憶勝者をつくりだしてきた偏差値教育を産みだした。その結果、国家観も世界観も持たない政治家と、中堅ゼネコンの倒産をその下請け業者や資材納入業者の痛みも省みず「倒産は構造改革が順調に進んでいる現われである」とコメントする総理、さらに天下り先の確保と省益に捕らわれるばかりで国益も国民も考えず、また選挙の洗礼も受けずに、政治家の上に君臨する官僚を政府中枢に溢れさせることとなった。
そういった閉塞社会をつくり上げてしまった元凶が、日本人の心の傷としてずっとぬぐい去ることができなかった「南京事件」にあるとしたら、誤った歴史観の成せる業とは国家の存亡をも左右するほど重大な問題と言わざるを得ない。そして、今も続く謝罪外交や、教科書検定、靖国神社参拝などにおける内政干渉ともいうべき他国からの糾弾の所以ゆえんも、この南京事件に端を発しているといったら考えすぎだろうか。


大東亜戦争を正しく総括せよ

 我々日本人にとってかつての大東亜戦争は何であったのか。本当に日本の侵略戦争であったと一言で片付けてよいものなのか。もう一度、徹底的に総括して初めて、本当の歴史観と世界観が確立されるのではなかろうか。
真珠湾攻撃で日米が交戦するまでは、第2次世界大戦はヒトラーが始めた欧州の戦争であった。ヨーロッパ本土が占領され、いよいよ英国が危なくなってきた段階においても、米国のルーズベルト大統領はヨーロッパの戦争に参戦しないという公約で当選したゆえに、正面きっての参戦がはばかられた。
公約違反となるヨーロッパの戦争に参戦するためには、日・独・伊三国同盟を結ぶ日本を挑発して暴発させ、最初の一撃を打たせる必要があった。この深謀遠慮に乗ぜられて日本は真珠湾を攻撃し、大東亜戦争へと突入したのである。米国は「リメンバー・パールハーバー」を合言葉に国民の怒りを煽って堂々と欧州戦線に臨む口実を得たというわけである。
このことは米国で出版されたロバート・スティネット氏による『欺瞞の日−FDRとパールハーバーの真実』に詳しい。この本は以前このエッセイでも紹介したが、日本軍の奇襲をルーズベルト大統領とワシントンの政府首脳部は、その場所が「真珠湾」であることを含め事前に知っていながら、それをハワイの米太平洋艦隊司令長官にあえて知らせなかったとされる、いわゆる「ルーズベルト陰謀説」を暴く一冊である。
この本では、ルーズベルトが刻々と真珠湾に迫る日本機動部隊の動きを逐一知っていたことを膨大な資料を掲げて実証しつつ、ルーズベルトが日本による「卑怯な不意打ち」を演出して米国を大戦に導いていったのは正しかったという結論に行き着いている。
民主主義を擁護し英国の苦境を救うために、米国は何としても国民の大半が反対している欧州への参戦をしなければならなかった。そこで、戦争を嫌う大多数の米国民の迷妄を覚ますために、日本を段階的に極限まで追い詰め、暴発させて「裏口から欧州参戦を果たしたことは疑いなく正しい選択」であったと、著者のスティネット氏は語っている。


戦後は真実なき虚構の社会

 こうした大東亜戦争の真実を探究し語る書に接するたびに、戦後の日本が戦争のすべてを否定し、東京裁判によって形成された自虐的歴史観に基づいて、先の大戦の全てに日本は責任を負うべきだという戦争観は改められるべきだと思う。アメリカは再び日本が強国となりアメリカ(白人)に刃向かってこないように憲法、教育、思想、政治、経済、社会、文化、学術などのあらゆるシステムと価値観を空虚なものとし、経済活動だけに専念させ、日本を無力化してきたとしか、私の目には映らない。
この戦争に対する偽りの歴史によって成立した戦後日本の社会が、正しい総括によって全面的に崩壊していってもなんら不思議ではない。前述したように、騙ごまかしと偽りの歴史認識に基づいての謝罪外交に明け暮れ、内政干渉ともいえる言動にも抗議もしないでいると、戦後の半世紀に額に汗して蓄えた1400兆円もの金融資産も根こそぎ奪い去られてしまうことになりかねない。
そうならないためにも、力の論理に基づく平和(バランスオブパワー)を求めて憲法を改正し、独立自衛の軍隊と日米安保体制を平等互恵の制度に改正することが急務である。同時に、教育を通じて、正しい歴史観と世界観を育み、政治を国民の手に返していかなければならない。政治は官僚がするものとし、国家観も歴史観も世界観もなく議席の維持にのみ狂奔する二世・三世議員はもういらない。また、国益よりも天下り先の確保しか考えていない官僚は一掃すべきだし、第4の権力として機能しない自虐マスコミは百害あって一利なしである。
私は提言したい。日本の教育を受験のための記憶力重視の偏差値教育から解放して、基礎学力を向上させ、ディベートを通じて真贋を見極め、経験や見聞を通じて学習し、自らの世界観を磨き、有り得ることと有り得ないことを見抜き、リスクを計算して果敢に決断実行できる人間を育てていくことに改めなけれはならない。今、我々は亡国の淵にあると危機感を持っている人間が現在の日本に果たして何人いるであろうか。


偏差値教育と謝罪外交に決別

 いつまでたっても自ら考えることもせず、正しい歴史認識を避けて自虐的謝罪外交を求めるマスコミや、国益も国民の利益も度外視した政・官・業癒着しての高物価・非効率社会に一日も早く決別して、大幅規制緩和で小さな政府をつくり、真の資本主義市場経済社会を築き上げていかねばならない。昨年を振り返れば、日本経済はいよいよ資産デフレが深刻な様相を呈し、金融システムそのものまでもが危うい雰囲気を漂わせてきている。一方、冷戦勝者米国は国益を考えれば当然だが、この10年国家金融戦略によりアメリカンスタンダードを押し付け、金融危機をつくりだし、ユダヤ人が支配しているといわれる金融と法律、情報を駆使して、世界中から金融収奪を謀り、貧困の拡大と富の集中を加速させている。
その大本山ともいうべきワールドトレードセンタービルへの自爆テロの記憶は今もなお生々しい。そして、そのテロへの怒りを武器に、米国はますます一極支配体制の強化を推し進めてきている。
しかし、日本はこうした不安要因ばかりに目を塞がれていてはならない。政策不況である資産デフレ不況に適切な手を打ち、不動産政策減税の断行と、大幅な所得減税、投資減税に加えて、加速度償却制度を採用して需要と消費の喚起を図れば、本年を底にブロードバンド時代の到来とナノテク、バイオテクの開花と共に、景気は必ずや上向きに転ずることとなる。
そのためにも、目下の不良債権問題と資産デフレの元凶である「地価の下落」に歯止めをかける諸施策は喫緊の課題であると共に、今年こそは自虐的国家から脱却を図り、真の独立国家へと脱皮を果たすスタートの年としたいものである。



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